トレーニングを「1年間継続する」というのは、思った以上にハードルが高いことです。「週〇回」「半年以上」は達成できても、さらに12 か月となると途端に人数が減る、という研究が出ています。今回はその“継続できる人の割合”にフォーカスしてお伝えします。
継続率の実際
例えば、初心者の運動を対象にしたフォローアップ研究では、「定期的な運動を継続している(週2回以上/12 か月)」と定義された人の割合が 約44.8% だった、というデータがあります。 ResearchGate
また別の研究では、3 か月時点で約63.4%、6 か月時点で59.6%、12 か月時点で57.2%が「定期的に運動を続けていた」と報告されています。 PMC
さらに、高齢者の筋力トレーニング継続を調べた研究では、1年後に「何らかのレジスタンストレーニングを継続していた」のは 約19% という厳しい数字もあります。 AGS Journals
これらのデータを照らすと、 「1年間トレーニングを続けられる人はおおよそ『4割〜5割』程度」 というのがひとつの目安になりそうです。ただし、対象(初心者/高齢者/運動内容)や「継続」の定義によって大きく変わります。
なぜ継続が難しいのか?
動機(モチベーション)が強くても、環境・時間・習慣化が追いつかないことが多いです。たとえば「楽しさ」「自分ならできる感(自己効力感)」が継続には重要、という指摘があります。 PMC+1
高齢者の場合、そもそも生活スタイルや身体機能・体力が若年層より厳しいため、継続ハードルが上がります。
また「トレーニング=特別な時間」「ジムに行く」などハードルを高く設定すると、挫折のきっかけになりやすいです。
継続しやすくするためのポイント
「習慣化」するまでの3〜6 か月が分岐点のことが多いので、この時期に無理せず“続けやすい形”にする。
楽しめる内容ややりがいを感じられる仕組みをつくる。
“週1回”でも良いから「この時間にはトレーニングする」とスケジュール化する。
仲間や環境のサポートを持つ。例えばジム通いやグループ運動、友人と約束をするなど。
自分の生活リズムに合わせる。無理に高強度を始めると挫折しがちです。
まとめ
1年間トレーニングを「ほぼ継続できた」と言える人の割合は、研究によると概ね 4〜5割程度 と見ておくのが妥当です。決して少ないとは言えませんが、「続くとは限らない」という現実を受け止め、継続を支える工夫を早めに取り入れることが成功の鍵です。
